荒波に飲み込まれそうになるとき

愛媛遠征を前に、僕はしばらく前から司馬遼太郎さんの小説「坂の上の雲」(日露戦争当時の話で、松山出身の秋山兄弟が主人公。来年からNHKでドラマ化されるので最近話題に。)を読んでいたが、ちょっと前にやっと読み終わった。なにしろ長い話なのだ。できたばかりの国で、当時の人々(元々はサムライ)がいかに国のことを思い、自らを犠牲にして努力して、前だけを見て一歩一歩進んでいったのかという話。この小説は戦についての記述に兵法的な解説があることが多く、そういう点でもおもしろかった。

愛媛といえば、知名度のある「坊っちゃん」を応援に借り出しているけれど、坊っちゃんは江戸っ子だし、松山が嫌で、松山の人を懲らしめた上に東京に帰ってしまうという話なので、坊っちゃんが相手方にいてもあんまり怖くない。

これが、もし秋山兄弟が相手に加わっていたら恐ろしいことになったろうと思う。僕はすっかり秋山真之さんに心酔している。

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というわけで先日、もう一つの主人公、戦艦三笠に行ってきた。僕の愛媛遠征はここからスタートである。(ちなみに今月末まで、日本海海戦記念イベントとして、東郷元帥の自筆の書などが展示中である。原文は秋山真之さんが起こしたもの。)

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三笠の甲板で当時を偲ぶ。ここに東郷元帥と秋山参謀が対戦中に立っていたという場所に立ってみる。できたばかりのちっぽけな国の艦隊が、当時世界最強と謳われたバルチック艦隊に完全勝利。サッカーでいえば、ワールドカップ初出場の国が決勝Tでブラジルを7−0くらいで破るようなものか。

そして海からの風を感じながら考える。ほよよん。

昨シーズン、最初と最後だけは存在感を示すことはできたけれど、客観的に見れば、何も成し遂げなかったのだろうし、むしろ不名誉な記録を作ってしまった。言ってしまえば時期尚早だったし、悪意のある言い方をすれば場違いだった。J1はそこにいたい夢の場所であって、現実の居場所ではなかった。だからこそ、今年のスローガンは、「夢のJ1に復帰」じゃなく「リアルなJ1への挑戦」なんだったんだろうと思う。

現実を後追いしてだましだましの修正していっても追いつかない。翌年の予算を前倒しして補強して行っても、結局は降格した上に赤字が1億5千万円。時間がかかっても根本から変えなくちゃいけない。

というのが今年のあり方で、だから時間がかかるのもしょうがないのだろうと思うのだ。すでに時間がかかり過ぎだと思う人もいらっしゃるだろうし、先が見えずに不安であり不満であると思われる人もいらっしゃるだろうけれど。

そして今がまさに荒波の時なのだろう。ここをどう乗り越えていくか。

勝負は相手もあることだし、時の運もあるし、結局のところ、自分たちのできることを精一杯やるしかない。

各員、一層奮励努力せよ。

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つづく

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takaoh