なでしこジャパン
2008年08月21日
勝てた試合だった。 日本は序盤から優位に進めてクリティカルな位置でボールを奪い続けていた。 ドイツは精彩を欠き、いつ失点してもおかしくなかった。 日本の数的優位を欠かさない細かくつむがれる精密なパスサッカーは、 ピッチに美しい波紋を描き続けていた。 今日は、勝てた試合だった。勝たなきゃいけなかったはずだ。 後半に入り、早め早めにフレッシュな選手を投入し、基本戦略とおりに ワイドからロングフィードをいれて、FWの走力で圧倒しつつ前線をつめ、 ゴール前を支配するドイツ。後半20分ころ、ここがウィークポイントという 左サイド、近賀の上がりをついたスペースからの一撃が決まってしまった。 キーパー、取れなかっただろうか。あのボール。 ドイツのキーパーが再三にわたって日本の決定的シュートを止めていたのを見て、日本と欧米の選手、個人としてのクォリティでもっとも差があるポジションはゴールキーパーなんだって思いました。 あと5センチ身長が高かったら。あともうすこし、身体能力の高い選手だったら。 まさに逆転のアッパーカットのようなドイツのゴールが決まったあとの ドイツの試合巧者ぶりはまさに王者、先進国の貫禄でした。 日本に付け入る隙を見せなかった。留めの2点目といい、見事としか良いようがないです。 リアルこそがサッカーだ。現実だけを見せるのがサッカーだ。 これほど単純で、これほど培った力を緊迫した舞台で 表現できるスポーツは無いのかもしれない。 なでしこは今大会、たくさんの夢を見せてくれました。メダルすら、手に入るんじゃないかって思わせてくれた。 冬の時間をすごした種子たちは、八月の太陽の下で美しく花開く。 そんな夢。 あえていいたい。アメリカにも、ドイツにも勝てたはずだ。 勝てなかったのは、何かが足りなかったんだ。 サッカーの神様は、日本にもう一度ここにチャレンジしろという答えを下した。 そうですとも。なでしこは今日、北京に散りましたが、それはロンドンへの種子が蒔かれた瞬間だった。 今日で終わったわけじゃない。日本の女子サッカーの火は、今日から燃え始める。そのためには、サッカーにつきものの気まぐれなラックで勝つべきじゃなかった。負けたのは、力が足りなかった。それは、埋められる溝だって、この大会は教えてくれたんじゃないか。 次があるから、今日の敗北があるんだと信じます。 これで終わらしてはいけないんです。 ここから、日本の女子サッカーは再び走り出すんだと思います。
- posted by 八月のエリゼウ
- 20:59
- Insect's eyes, bird's eyes, and corns

