「舞台考」-序説後編 日本、イタリアに勝利〜それはテレビの出来事として。

いや、ビックリ。日本、イタリアにスト勝ちですか。昨日見た限りではぜんぜんそんな風に見えなかったけど。日本はけが人ばっかりで、これで北京とか大丈夫かって感じだったんだが。

全日本女子、国際大会同一シーズン9連敗中という、どん底の状態から、
今日は世界第二位のイタリアをストレートで完勝というアップセット。
いったい何があったのか。
まあ、俺はド素人で細かいことは全然わからん。
とにかく、頑張れば報われる事があるってことかなあ?

さて、これはテレビ放送での出来事。しっかり堪能させていただきました。
そしてその感想。これが大事なんです。
試合会場で見た生の試合は臨場感もあってなかなか楽しかった。しかし、テレビで見た今日の試合も、選手の細かな動き、表情が見れてこれも楽しかった。そして、この横浜アリーナという巨大な会場での演出は、テレビで放映される事を大前提で作られている、ということ。
そうです。横浜アリーナという「舞台」は、そもそもがテレビ中継画面を意識した構造で作られている。そして、そこから見えるビューも、観客席の位置関係もあるが、概ね頭の中の像は、テレビ観戦時のイメージを浮かべられるようにシンクロされた構造になっている。

おわかりいただけると思う。これは、横浜国際の設計思想と同じものです。

競馬場に行かれた方は多いと思います。あそこで、一周1000メートル以上の巨大なトラック上を、逐一経過を映し出すオーロラビジョンが設置されています。私たちは競馬場で競馬を見るとき、目の前を走るサラブレッド達を感じながら、そのレースというドラマを巨大なビジョンを通して認識しています。まさに、テレビのように。

競馬場にターフビジョンという巨大電光掲示板が登場したのは昭和58年、京都競馬場からです。
そしてこの、最初の大レースのテレビ放送がミスターシービーの菊花賞、三冠達成のレースでした。
時あたかもテレビ全盛時代の到来。シービーの走りは、史上初めて、競馬場に集う人たちすべての目にそのビジョンを通してまるでテレビを見るように届けられました。稀代のスターホースが誕生した瞬間でした。
そして、中央競馬は黄金時代を迎えることになります。人々は、スターホースを「ターフビジョン」の中に確認するために、競馬場という「舞台」に集い始めます。
馬事育成、そして賭博場として存在した競馬場は、ここで新たに、人を集める空間としての機能を、その「舞台」に持つに至ったのです。

今現在。大容量のキャパシティーを持つ交遊施設は、すべてこのテレビ脳に基づいて作られていることに気づくはずです。
そうです。そもそも、その空間はある種のビジョンを先におき、それを介して理解し、租借され、整理されることを前提としているのです。

その中で行われる中心的な催し物としての事象…
バレーボールだったり、競馬だったり、もちろん、サッカーだったり。
これらはそのステージを彩る華であるのはもちろんですが。
すべてではない。あくまでそれは、主体である観客たちに、
いや、そこに集う人々の立ち位置により。
さまざまに消化されるべきものとして在る、ということになります。
それが、全てではないのです。また、それを全てと捕らえて、
集う必要など無い、ということです。
これは「集客」という意味で、とてつもなく大きな効果をもたらす。
それが、「横浜アリーナ」であり、「横浜国際競技場」だ、といえると思います。

この項、つづく・・・

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