なでしこジャパン

勝てた試合だった。
日本は序盤から優位に進めてクリティカルな位置でボールを奪い続けていた。
ドイツは精彩を欠き、いつ失点してもおかしくなかった。
日本の数的優位を欠かさない細かくつむがれる精密なパスサッカーは、
ピッチに美しい波紋を描き続けていた。
今日は、勝てた試合だった。勝たなきゃいけなかったはずだ。

後半に入り、早め早めにフレッシュな選手を投入し、基本戦略とおりに
ワイドからロングフィードをいれて、FWの走力で圧倒しつつ前線をつめ、
ゴール前を支配するドイツ。後半20分ころ、ここがウィークポイントという
左サイド、近賀の上がりをついたスペースからの一撃が決まってしまった。

キーパー、取れなかっただろうか。あのボール。

ドイツのキーパーが再三にわたって日本の決定的シュートを止めていたのを見て、日本と欧米の選手、個人としてのクォリティでもっとも差があるポジションはゴールキーパーなんだって思いました。
あと5センチ身長が高かったら。あともうすこし、身体能力の高い選手だったら。

まさに逆転のアッパーカットのようなドイツのゴールが決まったあとの
ドイツの試合巧者ぶりはまさに王者、先進国の貫禄でした。
日本に付け入る隙を見せなかった。留めの2点目といい、見事としか良いようがないです。

リアルこそがサッカーだ。現実だけを見せるのがサッカーだ。
これほど単純で、これほど培った力を緊迫した舞台で
表現できるスポーツは無いのかもしれない。

なでしこは今大会、たくさんの夢を見せてくれました。メダルすら、手に入るんじゃないかって思わせてくれた。
冬の時間をすごした種子たちは、八月の太陽の下で美しく花開く。
そんな夢。

あえていいたい。アメリカにも、ドイツにも勝てたはずだ。
勝てなかったのは、何かが足りなかったんだ。
サッカーの神様は、日本にもう一度ここにチャレンジしろという答えを下した。
そうですとも。なでしこは今日、北京に散りましたが、それはロンドンへの種子が蒔かれた瞬間だった。

今日で終わったわけじゃない。日本の女子サッカーの火は、今日から燃え始める。そのためには、サッカーにつきものの気まぐれなラックで勝つべきじゃなかった。負けたのは、力が足りなかった。それは、埋められる溝だって、この大会は教えてくれたんじゃないか。

次があるから、今日の敗北があるんだと信じます。
これで終わらしてはいけないんです。
ここから、日本の女子サッカーは再び走り出すんだと思います。

たった今、(21;50)女子ソフトボールで日本が金メダルとなりました。
4大会、四位、銅、銀と積み上げてきた金メダル。

なでしこの歩みは、その最初の入り口に立ったばかりです。
さあ。蒔かれた種に夢を乗せて、ロンドンに咲くなでしこを楽しみに待ちます。

ソフトボールの早期五輪競技復帰を希望します。
やる気の無い、世界に普及もしない野球は消えて当然だろうけど、
なんでソフトボールが消える必要があるんでしょうね。

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